今回の話は色々な形の「おカネ」が出てきます。皆さんご存知の通貨単位ばかりだと思いますが、最初に触れておきます。
ただの定義につき、スルーでも構いません。
| 文中の表記 | 説明 |
| 日本円 | 言うまでもなく日本国の通貨単位。単位は「円」。 |
| WM | 株式会社ウェブマネーが提供しているプリペイド型電子決済サービス。購入時に発行される16桁のプリペイド番号に通貨価値を持つ。 (出典:wikipedia > ウェブマネー) めいぽにチャージすることもできるし、他のゲームやショッピングサイトで利用することも可能。日本円に換金するサイトもちょっとググればゴロゴロ出てくるため、最も日本円に近い性質の通貨と言える。単位は「P(ポイント)」。 本文ではWM⇔NP、WM⇔メルの取引を総称してWM取引と呼ぶ。システムを介さない取引なので、当然ながら詐欺が絶えない。 |
| NP | NEXONポイントの略。NEXONジャパンのゲームにのみ使用可能な通貨単位。日本円であれWMであれ、めいぽ内のPアイテムを購入する際は必ずこの通貨単位にしなければならない。単位は「P(ポイント)」。 本文ではNP⇔メルの取引をP取引と呼ぶ。 現在はMaple Trade Space(以下、MTS)によりシステムを介してP取引を行うこともできるが、手数料の高さから未だにシステム外取引が横行し、結果として詐欺が絶えない。 |
| メル | MapleStoryのゲーム内通貨。モンスターを倒す、アイテムを売る、クエストを完遂するなどの手段で入手可能。ゲーム内(ポイントショップ外)のアイテムを購入するには必ずこの通貨単位にしなければならない。単位は「メル」。 |
※2008/06/21追記:念頭に置いていただきたいのは「いろんな単位の通貨があって、めいぽに流通するこれらの通貨量は刻々と変化しています。決してメルの量が増えただけではないんですよ。」ということ。ここに注目すればきっとこの先の話でおいてけぼりになることはないでしょう。
今さら言うまでもなく、最近高いですよねぇ。強化書。
強化書が高くなると、それに乗じてNP⇔メルのレートも跳ね上がり、その結果として強化書価格が跳ね上がるスパイラル構造があるように思えます。(詳細は後述)
PもWMも取引しないジャミロクもナンダカンダでNP⇔メルのレートの影響を少なからず受けるわけです。
ドル持ってなくても為替レートの影響が日本の国民生活に影響を及ぼすのと似てるのかもね。
インフレの話題を出すとよく言われる「メル余り理論」をさも唯一解のように主張する方がいます。ホントにそれだけが問題であれば話はシンプルなんですけどねぇ・・・
残念ながらメル余りは一つの要因として存在するのは間違いありませんが、それは数あるインフレブースターの一角に過ぎず、ブースターの中核ではありません。正直なとこ、メル余りが解消されたところで現在のめいぽ事情ではインフレの抑制に多少影響する程度で解消には至らない、とジャミロクは考えています。
さらに言えば、ヒールアタックは黒字だからメルを余らせてうんぬんかんぬん・・・という聖魔叩きも残念ながら時代錯誤な理屈です。
「聖魔だから」で稼げるメルなんて程度が知れています。聖魔が黒字職でメルがどんどん貯まっていくならスペクラトゥール(思索家)やマイノリティ・リポートの記事なんて書いてません。今日のSDTはどこへ行こうかなぁなんて考えることすらしないでしょう。
「聖魔だから」で稼いだ累積黒字なんて、どうせ一部の例外(ジャミロクみたいな特異体質)を除いてスケルゴデビューして10LVも上がらないうちにあっさり相殺されます。それ以降の黒字効率なら機動力/攻撃範囲/攻撃速度/攻撃威力の点から他職の方がずっと優れています。
こういう議論でヒールアタック叩きをする人は、ヒールアタックに過剰な夢を見過ぎています。
それに黒字狩りをあまり敵対視されてしまうと、おちおちクエストもカード集めもこなせないのにね。
また、「不正行為でメルが・・・切手が・・・」という意見自体も間違いではないけど、不正行為の有無に関わらずインフレは進行する構造になっています。一切の不正行為がなければインフレの進行がストップするかと言うとそうでもないでしょう。もちろん不正行為はインフレ進行を何十倍にもするし、インフレはおいといても平穏なゲームプレイを脅かすものなので歓迎しないことは言うまでもありませんが。
インフレブースターの中で大きな役割を担っている要素はいくつかありますが、互いに絡み合っていて一つ一つ切り離すのは難しいのです。
皆さんがインフレを歓迎するのか、そうでないのかは人それぞれでしょうから良い/悪いなんて画一的な答えはまず出ません。百歩譲って画一的な答えが出たとしても、自分と同じポジションは良く見えるし、違うポジションは悪く見えるものでしょうから無意味な押し問答を呼ぶだけです。
今回の記事を通して考えていただきたいのは・・・
インフレ環境の中にどのような要因があって、
その中で皆さんがどういった立場で関与していて、
もしインフレを歓迎するなら「現状キープのために自分ができることは?」を考えよう。
もしインフレを歓迎しないなら「インフレ抑制/解消のために自分ができることは?」を考えよう。
・・・と言ったところです。
ジャミロクは断言します。たとえゲーム内のメルが増えても減っても、強化書の高騰は不可避です。
強化書価格はプレイヤーの強化意欲に大きく依存するのですから。
もし、何かのキッカケで皆さんの強化意欲が突然消沈したら・・・?
(この状況ではたとえメルが増えたとしても・・・)
もし、何かのキッカケで皆さんの強化意欲が突然高騰したら・・・?
(この状況ではたとえメルが減ったとしても・・・)
強化意欲は数値化の難しい隠しパラメータですが、その総意はマーケットに大きな影響を与えているとジャミロクは認識しています。
キャラクターの平均LVが日に日に上昇している昨今、その分スキル振りが十分になるキャラクターが増えてきています。職やプレイヤー各自のスキル評価によってその到達LVはまちまち。
スキル振りが十分になってくると、そのキャラクターの中で一つの変化が訪れます。
【スキル振りが十分になる前】
LVUP = AP上昇&スキル向上(メインスキルが強くなって嬉しい!)
【スキル振りが十分になった後】
LVUP = AP上昇&スキル向上(でも使わないスキルだし・・・)
実質、APが5増えるだけでスキル的成長は微々たるもので、それぐらいのLVになるとHPMP上昇もオマケ程度。命中のLV補正も、LVさえ並んでしまえばそれ以降は意味を持ちません。(別に誰もがLV200を目指しているわけではないのです)
キャラクター成長という視点ではそういう状態のキャラが増えれば増えるほど、

が天秤にかかるようになってきます。意識しているかどうかに関わらず。
天秤の右側が重くなる(LV上げが相対的にマズくなる)キャラクターが増えれば増えるほど、強化のニーズは増え、強化書はさらなる需要過多になるわけですね。既に白の書
や混沌の書
という従来の強化の限界を突破するアイテムは存在しています。(この二つは既に限界近くまで達しているプレイヤーのためのアイテムなのでジャミロクを含む皆さんはその存在すら気にかける必要はありません)
強化書がさらなる需要過多になると、呪書生産マシンことジパガシャが盛況になり、ガシャチケ需要はP取引のレート上昇につながり、それがさらなる強化書高騰へとループする・・・これが強化書高騰スパイラルの構造です。
(スパイラルの中で前述の天秤は頻繁に揺れます。後述する寄り道トーク参照のこと)
今の価格帯で強化書が売れているということは、そんなクレイジーな価格でもなお天秤の右側が重いというキャラクターが存在しているということです。キャラクターの平均LVだって、日に日に高騰しているのですから。
(それ考えるとエリクサーの価格形成プロセスに似てるかも知れませんね)
その一方で、攻撃盾書や魔力盾書あたりから一部の強化書がモンスターからドロップしており「強化書=ガシャ産」という関係が多少なりとも薄れました。(ホントに多少ですよ)
強化書の需要過多とP取引レート上昇の結びつきが弱くなることはインフレのブースターの抑制因子となることを意味します。
ただし、依然としてガシャ産が供給の大部分という強化書も多数あり、強化書の需要過多とP取引レート上昇の結びつきは依然として継続すると思われます。
「強化書=ガシャ産」という関係が多少なりとも薄れることは、インフレを歓迎する人には良くない傾向、それ以外の人には良い傾向と認識されます。
もしプレイヤーに大きく散財させるようなクエストやモンスターが実装されたとしても、LVUPが不可避である以上、強化書の需要過多も不可避であり、したがって強化書価格の高騰もまた不可避です。
大きく散財した分だけ他のプレーヤーからかっぱいでやろうと考える売り手がいれば強化書高騰をくじく決定打にはつながらないでしょう。
(キングボンビー級に根こそぎ奪い去るようなレベルの散財なら話は別ですが)
強化書高騰の解消は強化書の供給事情とキャラクターのLVUP事情が根本から覆らない限りありえないと考えています。
チェックポイント1.「強化でAP5増やす労力」「LV上げてAP5増やす労力」の天秤を思い浮かべよう。皆さんのLVではどちらが重い?右側が重くなるキャラクターはこの先増える?減る?変わらない?

※ちょっと補足:ここで述べたような合理性からの視点ではなく、「他キャラより強くなりたい」「ルート取りたい」といった他者依存&競争意識の視点で強化に取り組む方もいらっしゃることでしょう。その視点のプレイヤーが多ければ多いほど、合理性視点の場合とは比べ物にならないぐらい強化書価格が高騰する方向に作用します。
ちなみにこの天秤、右側が重くなると相対的に強化がおいしくなり、強化書争奪競争からの強化書価格高騰や強化書不足が起きるとだんだん左側が重くなってきます。(強化がワリに合わなくなってくる!)
そうすると「強化書がそんな高いならLV上げてAP5増やした方が手っ取り早い」と判断してLV上げがおいしくなります。ところがLVが上がることで必要EXPは多くなるため、次第に右側が重くなってきます。
そして「LV上げがそんなにかかるなら強化してAP5増やした方が手っ取り早い」と判断して強化がおいしくなり・・・以下エンドレス。
この揺らぐ天秤のサイクルを繰り返しながら左右それぞれのハードルは底上げされていき、インフレが進行する。というカラクリなのです。
NP⇔メルのP取引は両通貨の力関係に基づいてレートが決まります。
レートが高くなるのはメルが多くなって相対的に価値が下がったからだ、とするのは決して間違いではありません。含ませた言い方をすれば「そっち方向への引力が存在するのも間違いない」です。
メルが多くなったその一方で、NPが少なくなって相対的に価値が上がったという方向の引力を考える人は思いのほか少ないように感じます。
NP⇔メルのP取引における役者は大きく分けて3種類。さぁ、皆さんはどの役を演じているかな?
| NP供給者 | 自分が使う分のNPは自分でチャージしたうえに、ゲームを有利に進めるために他プレーヤーが使う分のNPもカバーしてその対価を得るプレーヤー。 |
| NP需要者 | 自分が使う分のNP(全額か一部かは人によって異なる)はNP供給者に出してもらい、その対価にアイテムやメルを供給するプレーヤー。 |
| 部外者 | 自分が使う分のNPは自分でチャージし(もしくはそもそもNPを使わない)、他プレーヤーが使う分のNPはカバーしない。当然対価もないためP取引のレート決定においては完全に蚊帳の外。 |
なお、ジャミロクは「部外者」のポジションにいます。
一つ補足すると、MTSでの買い手は必ずしもNP供給者ではありません。煎じ詰めた話、P取引目的で日本円かWM(あくまで自分の日本円で買ったWMね)をチャージした人を指します。
NP⇔メルの力関係はシンプルに示すと
NP供給者数⇔NP需要者数
の関係と言い換えることができます。
(厳密には少し違うのですが、詳細は寄り道トークおよび下巻のブースターその3にてお話しする予定。ここはひとまず頭数の論理で。)

もちろん「部外者」は天秤の中に登場しません。
NP供給者が減少すると?
NP需要者が増えると?
NP供給者が部外者に転じると?
NP供給者がNP需要者に転じると?
NP需要者がNP供給者に転じると?(このケースは経済的/心理的な理由で最も起こりにくい転換です)
それぞれ度合いは違えどP取引のレートには影響が及ぶはず。
チェックポイント2.NP供給者数⇔NP需要者数の天秤(上図)を思い浮かべよう。
2007年、CMを打って、アニメ化に踏み切って、新規ユーザー獲得に積極的だったNEXONジャパン。
(新規ユーザーが生存していれば)ちょうど今頃はけっこうゲームにも慣れてきて、NP供給者/NP需要者/部外者いずれかのポジションに落ち着いているはず。
2007年に新規参入してきたユーザーの大部分はNP供給者/NP需要者/部外者のどのパートに分類されるでしょうか?ユーザー層を踏まえて考えてみましょう。
そしてそれはP取引においてレートにどういった影響を及ぼすでしょうか?
ある日のログより。

ここまで顕著なものでないにせよ、掲示板・ブログなどでこの手の発言を時々見かけます。
どんなに考えてもNP需要者が大っぴらにふんぞり返って得することがまったく見つかりません。
だってNP供給者から見たら「自分が出したNPの一部がNP需要者の手を巡り巡ってこんな拡声器に消えるのか」「NP供給して負け組呼ばわりされるんじゃ割に合わないな」と思わせるだけですもん。もしジャミロクがNP供給者だったら、それだけでNP供給を停止させる決め手になるんじゃないかなぁ。どう考えてもNP需要者側の首を絞めるだけです。
そこまでのリスクを負ってふんぞり返るのはある心理に基づいていると考えられます。
その心理をお話しする前に、現状におけるNPの需要と供給では供給側が圧倒的有利です。当然、前述のNP供給者数⇔NP需要者数の天秤の右側が傾けば(NP需要者の増加
or NP供給者の減少)さらに顕著なものになります。
NPは煎じ詰めれば日本円をチャージして初めて発生するものですから、NP供給者がいてくれないとNP需要者は取り急ぎ必要なP装備やサクチケなどが入手できません。半ば必然的に供給側の言い値になり、いざとなれば屈してしまわざるを得ないのです。(事実、そういう傾向になっているでしょう?)
このような状況を直感的に理解して多少なりとも劣等感を抱くNP需要者がいてもおかしくありません。
大半のNP需要者にとっては「そんなん割り切るしかないじゃん」「見合う対価支払ってるんだから立場はフラットなんじゃないの」な温度で処理できますが(言うまでもなくこういう受け止め方が賢明です)、そういう温度で処理できない場合は・・・そう、お分かりの通り。
NP供給者の上に立つことで意識下/無意識下に抱く劣等感を払拭しようという心理的な自己防衛が発動するのです。
ジャミロクはこれを「ココロのゼロサム化」と呼んでいます。
もっとも、ココロの許容量の問題から処理しきれなかった劣等感を払拭するために上に立つという行為はゲーム内のあちこちで見かけますが。
例)聖魔離れができてないプレイヤーが影で「聖魔なんて道具だよ」なんて声高に主張する時、その人はいったいどんなココロをゼロサム化しようとしているんだろう?
もしゲーム内で不自然に強気なプレイヤーを見かけたら、その強気さは何を打ち消すために発しているものなのかを考えてみましょう。相手の発言をどういった温度で受け止めればいいか必然的に分かるはず。
下巻では
ブースターその3:NP使用形態の変化
ブースター番外編:飽食の怪物
をお話しする予定です。
※あくまで予定なので、記事の構成によっては予告なく変更されることがあります。あらかじめご了承ください。